
2. 求められる廃棄物処理政策の方向
わが国では廃棄物最終処分場の不足が深刻なため、廃棄物の排出量の削減を図り、できるだけゼロに近づけることが求められており、そのためには、次のような処理方策が求められる。 ?@ 廃棄物のうち、使う必然性が無くなって廃棄されるものは、中古品(修理して再使用できるものを含む。)として再使用に供する。 ?A 上記以外の廃棄物のうち、加工によって原材料として再び製品化に供し得る製品素材、部品は、これを分別してできる限り再利用(リサイクル)に供する。 ?B 再使用、リサイクルが不可能な廃棄物は、最大限減容して最終処分する。 3. 廃棄物処理技術の方向
従来、廃棄物処理は、技術的には破砕、焼却、化学的処理等によって減容され最終処分場に埋立てる方法が採られてきたが、その後リサイクル技術が数多く開発され実用に供されるようになってきた。この中にあって、FRP廃材に係る処理技術・リサイクル技術も別表の通り数種類が開発されているが、破砕・埋立(最終処分)の現行の処理方法に経済的に太刀打ちできる技術はまだ現れていない。 しかし、FRP廃材の破砕・埋立処理は、?@最終処分場所への処理(埋立処理)が難しくなること、?A減容・リサイクル促進政策に適合していないこと、?B処理工程、運搬・埋立作業時に騒音公害、ガラス線維による粉塵公害、皮膚障害を引起こす、などの理由から地方自治体から処理方法としてますます敬遠されることが確実視される。このため、経済性及び廃棄物処理政策を勘案しつつ、新しい処理技術のうちそれぞれの時点において最良の処理・リサイクル技術を選択して処理体制に組込んでいく必要がある。 ?Y. 現行法体系の中でのFRP廃船処理体制(処理体制?T)の提案
本処理体制では、個人所有の廃プレジャーボートを主たる対象として構築する。 法律上は一般廃棄物であるにもかかわらず廃プレジャーボートが市町村で処理してもらえない大きな理由の一つに、一般廃棄物ルートの処理施設・能力不足の問題があり、簡単に解決することは困難であるが、これを解決するには適正な処理施設を有する産業廃棄物処理業者の処理ルートを活用するのが最も現実的であり、近道である。 廃棄物処理の基本である排出者責任を求めるために、まずFRP廃船は所有者が特定できるものについて現行法体系の中で処理できる体制を構築していくとともに、排出者不明のものについてもこれとは別に体制を構築し提案していくこととする。
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